民法上、契約は両当事者の合意だけで有効に成立することになっています。極端なことを言うと、「売りましょう」と言っている人に対して「買います」と答えれば、それだけで売買契約が成立することになるのです。ごく価値が小さな物の売り買いの場合であれば、それで何ら不都合はないとも言えますが、不動産のような高価な商品を取引する局面では、何とも心もとなく感じられます。やはり、契約締結の証拠を残したいと考えるのが当然ですので、契約の両当事者によって売買契約書が作成され、双方が1通ずつ所持するようにするのが普通です。不動産業者に売買の仲介を依頼した場合であれば、業者がこの契約書を作成してくれるのが一般的になっています。ただし、先程も述べた通り、契約書がなかったとしても、契約は成立します。